弘前へ行きたい。

先週の日曜、『情熱大陸』で、奈良美智を取材していた。
友人のでもやんに、「来週、奈良さんやでぇ〜!」と教えてもらって知った。
動く奈良美智を見るのは実に久しぶり。
書籍等で、写真の奈良さんはよく見かけるのだけど。
映像の彼を見るのは、何年か前の『新日曜美術館』以来ではなかろうか。
いや、『ようこそ、先輩』かな〜。ちょっと曖昧な記憶。


久しぶりに見る、あの朴訥とした喋り。
飄々とした外観からはうかがい知れない攻撃的な絵も描くのに。
番組では以前とは少し変わった奈良美智像が伺えた。
ワタシの思う奈良像。
とにかく、一人で製作する。
孤独に身をおき、他者を排除。
自分自身を内観しつくして、その場で表現、納得いくまで色をのせていく。


この番組での彼は、少し変化して見えた。
周りの人々との交流しながら絵を描いていたのだ。
タイというお国柄かもしれないが、あきらかな変化だ。


絵も印象が違ってきている。
前は他者を拒絶する、威圧的な眼光の女の子だったのだが
今回、タイで描きあげた女の子は柔和な印象の女の子。


よしもとばななが、以前に
友人の中で殺人を起こしそうな人、トップに奈良さんをあげていた。
絵を描く以外は何もできない人。
それほど、他者を寄せ付けない部分を持っているのだ。
絵という自己表現を得ることでそれを免れている、とか言っていた気がする。
確かな記憶ではないので、自信はないのだが。
その部分を含めて理解し、包み込んでくれる、友人がいる事も才能以外の財産。
羨ましく思う。


今回の情熱大陸をみて、いい意味でも悪い意味でも変化している彼の絵を
また生で見てみたい。
鳥取県米子市で昨年開かれた個展とはまた違う
青森県弘前市で開かれる個展。
弘前市は彼の出身地で、格別な思いがあるらしく、通常の会場とは一味も二味も違う様子なのだ!
そして生で見る、アクリル画の目の色の深さは、本ではわからない。
ものすごい、深いのだ。
ああ、弘前へ行きたい。。。
遠いよ…。